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1996.10
1990年代より徐々に始まったクルーズブームはカリブ海を中心としたクルーズからヨーロッパ海域へとディストネーションを広げ、大手客船会社の多くは地中海、エーゲ海へと客船達を投入し始めていった。
ロイヤル・オリンピック・クルーズ社の前身は、ギリシャ(エーゲ海)でのクルーズに長い歴史を持つ “エピロティキ・クルーズ社 ”と“サンライン・クルーズ社 ”という2大客 船会社がその競争に対抗するために合併され生まれた新客船会社である。「両客船会社の経験を合わせますと新会社はすでに100年以上もの歴史を誇り、エーゲ海で最も実績のある客船会社となりました。」と語るのは広報担当マネージャーのメグ・ダンカン氏。現在彼等が所有する客船は8船、総ベッド数は約4600、今年96年には250以上のクルーズが予定されており、3月から11月の本格的エーゲ海クルーズシーズンには、3~14泊の様々な船旅を提供する他、時間に余裕のない乗客のため日帰りのワンデークルーズも年間を通し用意するなど、より充実度を増した客船会社として生まれ変わった。両者は合併以前よりすでにそれぞれの地位が確立されその名はよく知られている。ロイヤル・オリンピック社となってからも両社の以前の名は引き続き残されクルーズの販売は続けられていく予定となっている。2グループに分けられたうちのひとつ“ザ・ブルーワールド・オブ・サンライン”はギリシャの伝統的なクルーズを、もう一方の“ザ・ホ ワイトワールド・オブ・エピロティキ ”はカジュアルをモットーとしたクルーズが提供される。今後はこのグループ分けもやがてロイヤル・オリンピックの名で統一されるが、両社の持ち味は以降も残されていくと言う。合併後はロゴも新しく なった。基調になっているブルーとホワイトはギリシャの国旗がイメージされ、デザインはこれまで両社が使用していたものを組み合わせたものだ。「昨年は12万人の日本人がエーゲ海を訪れました。
約80%の方は冬場(日本のゴールデンウィーク時)に来られているようです。一般的に日本人旅行客は、時間が限られていることから、3、4泊といった短期のクルーズを選ばれる傾向にあるようです。
私たちのクルーズは寄港地を特に重視しており、そのようなショートクルーズでも十分エーゲ海の魅力を堪能して頂けるようにスケジュールが練られております。」例えば、金曜日発の3日間クルーズでは、朝11時にピレウス港(ギリシャ)を出港しその日の夕方にはミコノス島に到着する。そして翌土曜日には、パトモス、クサダシ(トルコ)といったふたつの島に立ち寄り、日曜日一日をロドス島で過ごされた後、アテネへの帰路につくというものである。「エーゲ海は日本人の方々にとっては憧れのディストネーションであるのかもしれません。世界にはたくさんの興味深い場所がありますが、ヨーロッパをツアーなどで旅行なさる日本人の方々にとっては、我が社のように短期間でもいろいろな場所を訪れることができる中身の濃いクルーズはうってつけではないでしょうか。」乗客の構成はアメリカ、カナダ人が大半を占めているがクルーズの種類、長さによりそれも多少異なる。一般的に言えば短期のクルーズは若い方たちが、長期のものは年配の方が多数乗船する傾向にある。特にカジュアルな旧エピロティキ・クルーズがロイヤル・オリンピックに入ったことで、若者が増加し、大学生などの姿が多数見られるようになったと言う。そのなかには大学の単位を取るために夏期のクルーズに参加したりする者もいるようだ。外国の乗客のために乗務員の中には数カ国語が堪能なスタッフも何名か乗船し、アナウンス、日本語による船内新聞等のサービスに当たることになっているが、15名以上のグループで乗船される場合、陸上でのガイドも乗船させることもあると言う。 現在彼等が目標にしているのは、96年に昨年より20%増の 乗客を獲得すること。そして97年にはさらにその20%増の乗客を見込んでいる。ディストネーションでいうと以前より広域にわたるクルーズが予定されている。例えばこれまでのコースに加え長期では黒海までいくものや、エーゲ海の島々を訪れた後にロ ーマなど西地中海を訪れるものの他、3~7日間の大西洋へのクルーズも予定されるなどバリエーションに富んだスケジュールが多数用意されている。彼等の会社は二つの大きく異なったイメージを共有している。その一つは『エーゲ海で最も経験豊かな客船会社である』こと。
もうひとつは『冬場は南米に配船されエキゾチックで豪華なクルーズを提供している』ことである。
「しかしながら当社は、エーゲ海というイメージがあまりにも強いためか、25年という南米クルーズの実績があるにも拘わらず、なかなかそちらのほうは日本人の方々には知られていないようです。将来我々のギリシャの名声を南米マーケットへ反映できるよう今後も魅力的なクルーズを提供することを目指していくつもりです。」
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