CARNIVAL of cruise-ok



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1999.2
 キュナード買収のことについて


現在カーニバル社は“カーニバル”“ホーランドアメリカ”“シーボーン”“ウインドスター ”の4社のクルーズラインを所有しているが、昨年コスタクルーズラインと国内26%のシェアを誇るイギリス最大のツアーオペレーター会社のブリティッシュエアーツアーに出資し、そのことで彼等は北アメリカ全体の40%という大変なシェアを獲得した。商品としてのカーニバルの客船が『現代的 』なマーケットをターゲットにし ているのに対し、ホーランドアメリカは『プレミア 』(高級層 )向けに、またコスタは『ヨーロッパを主流 』とし、そしてシーボーンは『最高級マーケット』というように、はっきりカテゴリー分けが施され販売がなされている。今年カーニバル・コーポレーション(以下カーニバル )は“キュナード”(オーナー権 )をノルウェーの投資家より獲得したが、キュナードには彼等を取得に向かわせた多くの要因と理由があった。「キュナードは過去において輝かしい歴史と素晴らしい評価を獲得している客船会社です。それはまさに客船史そのものと言っても良いでしょう。キュナードブランドの名は我々が知る豪華客船QE2同様とても尊いものです。その主なお客様はアメリカと言うよりは特にヨーロッパやアジアの方々が多数乗船なさっており、このことは我がカーニバル社が現在ヨーロッ21076.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。パ人に良く知られているコスタクルーズを通し、今後ヨーロッパマーケットを拡大しようとする戦略と非常によくマッチしていたのです。」とカーニバルコーポレーションのマーケティング副社長でもあるロデリック・マクレット氏。キュナードを得ることはアメリカ以外のマーケット開 拓を獲得する上で彼等にとってベストな方法なのである。今日、客船に乗船する客の70%~80%は北アメリカからである。それは言い換えるならば彼等にとっては依然ヨーロッパ、そしてアジア方面に開拓すべ巨大なマーケットが横たわっていることでもある。そしてそのマーケットに応えるためにもQE2のような世界的名声を備えた客船が彼等には必要であった。カーニバル社が実際キュナードを彼等“カーニバル ”というブランドの客船達に加へ販売するに当たり “キュナード”と“シーボーン”は今まで通りそれらのブランドを維持しながら販売することを考え、カーニバル社はキュナードの経営に今後も直接深く関わりを持つつもりはないと言う。買収後は資金面とマネージメントに関する援助を惜しみなく提供し、かつてキュナードが個々で機能していた以上の環境を作っていくことに努めていくのだそうだ。キュナードを獲得したことで現在カーニバル社は世界のクルーズマーケット全体の約50%のシェアを持つことになる。取得したキュナードは『最高級ラグジュアリー客船 』として販売して行く予定である。またキュナードは最近モダン・トランス・アトランティック(現代的な大西洋横断客船)をコンセプトとした『プロジェクト・メリー 』についても発表している。このコンセプトはベビー・ブーマーマーケットという今後巨大な客船支持層になりえるマーケットに照準を合わせたものである。「2年ほど前からベビー・ブーマー世代はすでに一線を退き始め確実にラグジュアリーな客船に注目し始めております。キュナードブランドには百数十年という歴史があり、現在においてそれはようやく落ち着きを見せたようです。キュナードはニューライフを歩み始めました。カーニバル社はキュナードを救う( 彼等のような最高級な客船を扱う会社はここ数年ビジネス的に難しくなって来ていた)適任者であり、また私たちはその実績を持っております。映画『タイタニック』のヒットはカーニバル社がキュナードを得ることへの興味をかき立てた理由のひとつでもありました。キュナードストーリーにはハッピーエンドはあっても悲劇とは無縁の全く異なった道が待っていたのです。」 

 今後もカーニバルは買収や合併が


カーニバル社はまだ正式には発表していないが、さらに10隻の新造船の予定を持っている。
このことは、クルーズ業界においてカーニバル社の成長を大きくアピールすることだと氏は語る。
また「コスタ」と「キュナード」を得たことは今後、北アメリカ以外の巨大なマーケット拡大の大きなプラスとなるであろう。
しかし彼等は今回のようなオールドシップの購入を主体に買収、合併は考えていないのだそうだ。
彼ら(カーニバル社のオーナーたち)の哲学とはオーダーする10隻の新造船のように新しい客船を生み続けることを重視しているからだと氏は言う。

 カーニバル社が今後考えていることとは


カーニバル社は会社設立から僅か26年という、まだ浅い歴史にもかかわらず大変な成功と収めた。昨年( 1998年)約30億ドルの売上によって約8億ドルの大変大きな経常利益を出した。彼等の戦略は引き続き彼等のコンセプトをメインに押し出していくことである 。また今後とてつもない巨大なマーケットへの参入の機会を得ることになるであろうと彼等は予想している。昨年度のカーニバル社の客船に乗船した北アメリカの乗客の大部分は依然クルーズ初心者達であった。またアメリカ以外の国に目を向ければ、そこにはまだまだ巨大なマーケットが横たわっている。日本を例に挙げると、海外への旅行者は世界でも非常に多い方なのだが、クルーズ人口はまだ僅かな数に留まっている。ちょうど北アメリカのクルーズマーケットが今日のように発展を遂げているように日本にもいつの日かクルーズの魅力というものが飛び火したときクルーズブームは訪れるのではないかと氏は予想している。「将来日本の方々も百万人単位の巨大な旅行 者のためのマーケット誕生の可能性は十分あるのです

 他の客船会社と異なった戦略とは


カーニバル社は6つの異なった商品を6つの異なったクルーズラインによって提供するという他のクルーズラインにはない販売を行っている。ロッテルダム0012.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。
彼等が他の客船会社と異なっていることはそれらブランドを積極的に生かした戦略を押し進めていることだ。
我々は異なったタイプのマーケットが市場にあることを明確に理解し、それら異なったタイプのマーケットに確実に彼らが対応しているということである。例えば“カーニバルクルーズ ”は人生の楽しみを強調し、「アップビート」で「上昇志向の強い」の商品を。寄港地の数は限定し常に温かい海域に客船達を配船しているのが特徴だ。それに対し“ホーランドアメリカ ”の客船は乗客の方々がいろいろな国々から訪れるためインターナショナルな客船として幅広い寄港地を訪れている。また“ウインドスター ”の客船は年齢層が若いことから「ラグジュアリーシップ 」でありながらもノータイといったように一方でカジュアルな雰囲気も持たせている。“コスタ ”はインターナショナルなテイストを提供し、サービスは地中海の寄港地を意識し「ヨーロッパ的 」に。“シーボーン ”はアメリカ人のお客様向けにデザインされた( 最高級のサービス )を。キュナードはヨーロッパのお客様向けとし、やはり ( 最高級のクルーズ )を提供している。カーニバル社は引き続きカリビアンエリアに力が注いでいくが、今後ヨーロッパと地中海で、より活発にマーケットを開拓するため18隻の客船を投入し、このエリアに配船していく予定でもある。

 今後の寄港地の開拓は


今日もうすでにカーニバルの客船は地球規模でクルーズが行われていく。なぜ北アメリカの人達にクルーズがこれほど受け入れられるようになったのかを考えたとき、そのひとつがまさに就航コースとしては申し分ない自然美溢れたカリブ海がアメリカから僅かな距離にあることが挙げられる。それはまさに客船会社にとってはラッキーであったと氏は言う。しかし世界にはそのようなクルーズに恵まれたエリアは他にもある。例えば南太平洋もクルーズにとっても適したエリアある。もしもそのエリアと周辺の国々が魅力的であるならばカーニバルもそこに乗り出す用意がある。「クルーズ産業の良いところとは、人々がもし強い関心を持っているところがあれば例え地球上のどんなところであろうとも、そこに水さえあれば訪れることができるということなのです。」一度カーニバルはアジアで、ある可能性に満ちた投資家を見つけた。それは韓国のHYUNDAIであった「しかし我々のクルーズマーケットに対する考え方と彼等の考えに大きな相違があったことで残念ながら結局はパートナーになることはできませんでした。」カーニバルは今後もアジアで共にパートナーシップを結ぶことができる会社、あるいは買収するに値する魅力的な会社を探しているところだ。

 客船のサイズについて


カーニバルは“ディスティニークラス ”の客船を建造する一方でホーランドアメリカの客船として乗客数1400人乗船可能な“DAMサイズ ”の客船も建造中である。DSCF3227.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。
そして“プロジェクト2000サイズのクラシック客船”も建造中だ。また、現在ディスティニークラス以上で“グランド・プリンセス”、“ボイジャー”クラスの客船プランも発表されているところである。もちろん客船の建造にはサイズに対する限界が常につきまとっている。例えばパナマ運河の通過もそのひとつだ。いくつかのデストネーションには小型客船のみが許可されているような海域もある。「クルーズビジネスというのはいわばゴルフと同様に、あるものはパターを多用したり、あるものはドライバーに変えたみたりというように、現代の発展したクルーズビジネスを客船サイズによってルートを考えて行かねばならないのです。」また乗客は時としてより親密性を客船に求めることからしばしば小さめの客船を好むこともあると言う。さらに他の乗客の中には「ファン」(楽しさ)を求めることから、数千単位の乗客を収容できる大きめの客船を客船会社は必要とすることもあるのだそうだ。そのように乗客の嗜好によってもサイズは決定される。とは言うものの乗客数2600~3000人までの客船に関しては、客船としての現実性はあるが、それ以上乗客数の多い客船建造プランは今のところないと言う。

 新造船パラダイスの全禁煙について


アメリカではすでに禁煙が飛行機から採用されている。
「禁煙のお客様に喜んでいただくためパラダイスを我々はノンスモーキング・フラッグシップとして進水させました。お客様は禁煙、喫煙によって選択することができるようになっております。」またパラダイスと並んでもう一隻の客船が同様のクルーズを行っており、乗客は禁煙、喫煙によって選択することができるようになっている。これもカーニバルといった巨大な客船会社だからこそ実現できたユーニークな試みである。 

 7月20日のエクスタシーの火災について


エクスタシーの事故はいわば先進のテクノロジーを備えた現代客船が万一事故に遭遇した時の客船会社側の対応を我々に公開するようなものであった。21262.jpgエススタシー  写真をクリックすると拡大表示することができます。
今回の事故では煙を吸い込んで病院に行った2人の消防士を除いて死傷者がでなかったことはとても注目すべきことであった。行き届いた火災訓練と客船の構造が幸いし大事故にいたらなかった。スタッフのトレーニングは政府の厳しい規定に従ったもので定期的にチェックされている。またクルーズドリルもコーストガードの厳しい監督のもとに行われているものであった。過去の経験に基づいて客船産業全体がこのような悲劇的事故に対処すべき常日頃より訓練を怠っていない。結局エクスタシーは船体の後部を新しいものと交換し、9月11日より復帰することとなった。

「客船業界は依然巨大な収益を上げ続けております。なぜならばそこには巨大なマーケットがあるからです。
大手客船会社は競合しあいサービスも以前より向上し始めました。またここ数年、そのことはより多くの客船の進出を助長することにもなったのです。各社より多くのニューシップの発注も行うようになりました。
異業種ディズニーの参入は今年最も注目されたことでしょう。何十年にもわたり我々は地球上の多くのエリアの調査を続け資金や技術を持ち、旅行会社や代理店とも強い信頼関係を築き上げております。そのことでカーニバル社は現在のように確固たる地位を得ることになりました。私どもの今後の展開はカリビアンベースのものから、より地球規模のものへと変化させていくことなのです。今年カーニバル社は過去最高の約200万人というお客様のサービスを行うことになる見通しです。」