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ロッククライミングやアイススケート、さらにはまるでひとつの街中を思わせるプロムナードなど史上最大の客船としてデビューしたボイジャー・オブ・ザ・シーズは噂どおり今までの客船のイメージを大きく覆したスケールの大きな船であった。
その客船の名誉ある初代クルーズディレクターに就いたのがジェフ・マーティン氏である。
数々のスポットライトに照らされた華やかなステージ上でショーを盛り上げるクルーズディレクター。
日頃の彼の姿を我々乗客が目にすることは限られているが端で思うほどそれは容易なことではないようだ。
彼の仕事は主に船内のエンターテイメント部門全般についてだ。
しかしそれ以外にもクルーズを通し乗客の反応に目や耳を傾けていかなければならないと言う。
「テクニシャン、ミュージシャン、ユーススタッフ、アイスキャスト、ダンシングキャスト、アクティビティスタッフ、ビデオプログラマー、エクスカーションなど私の下にいる138人のスタッフたちすべてを統括するのも私の役目なのです。」と氏。
コメントカードも含めすべての乗客の反応はクルーズ全体の主な修正材料となり以降のクルーズに生かされることになる。
よくキャプテンに次ぐ高給取りはクルーズディレクターであると言われるがそれもなるほどうなずける。
現在彼の年齢は37歳。16歳でこの世界に足を踏み入れ25歳でクルーズディレクターになった時、彼はクルーズ業界で最も若いクルーズディレクターであったのだそうだ。このインタビューの前日、彼はこの業界に入ってちょうど20年を迎えた。
多くのクルーズディレクターの経歴がそうであるように彼がこの世界に入るきっかけもとてもユニークだ。家族とのクルーズを楽しんでいた中で彼が出演したパッセンジャータレントショーが偶然客船会社の人間の目に留まり声をかけられたと言う。彼当時16歳。
実は彼は10歳の頃からマジシャンとしてパーフォーマンスをし、将来ショービジネスの世界に入ることに憧れを持っていた。大学卒業後カーニバル社で2年務め、その後彼はかつてのロイヤルカリビアン社(現RCI社)にクルーズスタッフとして入社。ショアエクスカーション・マネージャー、アシスタントディレクターを経験した後、今のクルーズディレクターというポジションを得た。
彼がスタッフとして初めて乗船した“ソング・オブ・ノルウェー”から数えるとトータルで18年間RCI社に務めていることになる。
RCI社には現在15人のクルーズディレクターが働いており実は彼の妹さんもその中のひとりであった。
彼女は昨年晴れてクルーズディレクターになったばかりと言う。
「彼女は以前私のアシスタントとして働いておりました。
確か今“レジェンドオブザシーズ”に乗船していると思いますよ。」とマーティン氏。
「乗客に対するサービスというのはジャグラーのようにいかに上手にお客様方をハンドリングできるかどうかなのです。」と氏。
また氏曰く「あなたは世界の誰よりも立派に仕事をこなしているわ。」とは彼の奥様の感想である。
現在彼女はこの客船のファーマシー(雑貨などを販売)の方で働いているのであったが、実は彼女との出会いも彼女が彼の客船に乗客として乗船してきたことからであった。
さぞや素晴らしいロマンスがあったのでは?といった質問に「そうですね。私も皆さんと同じように若い時分はそうでした。でも今はどうでしょうか。
妻はたまに昔のことを思い出しては今の私に不満を抱くこともあるのですよ。」と話がプライベートにおよんでか彼も非常にリラックスした状態で業界のことを語ってくれた。
クルーズ会社との契約によると彼の場合3ヶ月間乗船し、3ヶ月間休がとれることになっている。
「休暇中は主にクルーズを・・・というのは冗談ですが私の家族が住むフォートローダデールで、のんびりジャンクフードをつまみながらのTVのスポーツ観戦など常にリラックスに心掛け、なるべく両親やそして2人の子供たちと一緒に過ごすことに努めております。」またフロリダという土地柄ゴルフやテニスなどスポーツを楽しめる環境が整っているため各種スポーツも休み中は満喫するとのこと。
しかし通常クルースタッフ(奥様も含め)の契約というのは6ヶ月間乗船、6週間休みなので船内での勤務が彼より長い妻は「早く客船へ戻ってきなさいよ。」と言っているとのこと。
彼がクルーズディレクターになるために必要とされたことはRCI社色に適した雰囲気の中でお客様皆様をもてなし満足して頂くよう心がけること。
社名が数年前よりロイヤルカリビアンクルーズライン(RCL)からロイヤルカリビアン・インターナショナル(RCI)へと変更されたことからわかるようにRCI社は現在インターナショナルなマーケットへ対応できるよう今まで以上に外国人の乗客へフォーカスを合わせ始めた。
「他の国からのお客様方をお迎えするために、特に言葉の問題など僅かでも解消できるよう我々は常に最善を尽くしております。
そのため我々はすべてのデータベースの管理をニューヨークオフィスで行い、そのことで各クルーズごとに送る我々の必要事項に適切に対応することを可能と致しました。
例えば各クルーズの乗船にはインターナショナル・ホストの乗船を。
またあらかじめスペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語など、常に多くのお客様方が乗船なさるお国に対しましては、それぞれすべてのインフォメーションアクセッシングプリントによって可能な限り言葉に対応できるように致しております。また私も英語とスペイン語を、また客船で働く約50ヶ国からなるスタッフたちの存在も各国からのお客様方にとっては大きな助けとなるでしょう。
RCI社はより船内全体をひとつのファミリーのように、またよりインターナショナルなものになることを目指すと共にRCI社は世界中のお客様に『クルーズはバケーションの最高の選択のひとつ』として受け入れて頂ける土壌を築いていくことにも努めております。」 客船という特殊な世界だからこそ遭遇した意外なエピソードもあった。
「以前一度、コメディアンのジェリー・ルイス氏が私の担当している客船に乗船してきたことがありました。クルーズ中、彼を舞台上でお客様方に紹介する機会があったのですが、その時『皆さん今夜は、あのコメディアンのジェリー・ルイスとジェフ・マーティン(昔のコンビを組んでいたディーン・マーティンとクルーズディレクターの彼の名を引っかけて)が25年ぶりにコンビを再結成することになりました・・』と紹介したのですが会場はそれは大いに湧きました。
その時のことが私にとっても大変に思い出に残る出来事でもありました。」 またその他には以前48回ものRCL社の客船に乗船経験があるという乗客に船上で会ったことも。その時はまるで家族のような親しみを覚えたと言う。
「実は今クルーズにも36回のリピーターのご婦人が3人乗船しておりました。
とても再会できたことをうれしく思います。
また今クルーズには1470人の方々が以前に私どもの客船に乗船なさったことがおありの方々なのです。
約半数近くがリピーターと言うことになりますのでまさに大家族のような雰囲気が船内全体を包み込んでいるのです。」
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