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オーバーシーズトラベル
2007年10月

「まさかコスタが日本に来るなんて。2003年には全く描けないことでしたし、それがあっという間にアジアをマーケティングし始め、香港にオフィスを構え、さらにそこから将来日本に寄港することもポンポンと決まって行く・・。最近コスタの力をすごく感じています。」とコスタクルーズ社のここ数年の展開に驚きを交え語ってくださったのはオーバーシーズトラベル・クルーズ事業部主任、榎本さんである。


DSCF4574.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。「2003年に入った年ぐらいにコスタクルーズ社はアラブの方にも行くのではないかといった話が我々の耳にも入っていたのですが、いろいろな事件があってそれが一挙になくなり、それではやらないのかなと思っていたらどうもドバイの方をやるらしいと内々の情報が入ってきて、そしてドバイ定点クルーズがスタートし、その後ドバイだけで終わるのかと思っていたら香港の方にやって来ると、またそれと同時期にどうもアフリカの方もマーケティングしているらしいよという話になって・・・。」中でも彼らGSAが大きく驚かされたのはコスタクルーズ社のアジアへの思い切った開拓であった。「他の客船会社も確かに世界規模にてマーケットの開拓は手がけているのですが、ことアジアに関しては皆、どこが最初にやるのか横で眺めていた状況でしたので、それが本格的に参入し始めたのですから。なんてフロンティア精神のある会社なのだと。」

オーバーシーズトラベルがコスタクルーズ社とGSA契約を交あわせたのは1997年。今年(2007年)でちょうど10年目を迎える。 


年間数百人単位からスタートし、現在数千人規模にと順調に集客数を伸ばしているオーバーシーズトラベルは将来一万人規模での販売を目指している。 
それがにわかに現実味を帯びてきたのは先のコスタクルーズアジア進出であるのかもしれない。
コスタクルーズ社は一昨年(2005年)香港オフィスをオープンさせた。
その経緯はこうだ。現コスタクルーズ社のCEOでもあるペル・ルイジ・フォスキ氏はもともとOTISエレベーターのアジア駐在員であった。当時彼はカーニバルコーポレーションのCEOミッキーアリソン氏と親交があったといい、コスタクルーズへ引き抜かれたとも語られている。カーニバルコーポレーションと言えば傘下に数社の客船会社を治めているが、以前からアジアマーケット進出への関心は高くいつかそれを果たすことを望んでいたのであった。(カーニバル社アジアマーケット開拓関連インタビュー)
そこで香港でのビジネス経験も豊富なペル・ルイジ・フォスキ氏にフォーカスがあたることとなる。コスタクルーズ社がグループ内でも非常に大きな利益を出し、実績をあげている会社であったこともそれを決定づける理由であろう。DSCF3505.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。
そしてコスタクルーズ社は潤沢な資金を抱えるカーニバルコーポレーションの万全なバックアップのもとアジアの開拓を任されることになる。
さてコスタクルーズ社は中国政府から中国的な航海が可能な初めての外国客
船として正式な認可が降ろされた客船会社となった。もちろんそこに至までにはかなりのマーケティングリサーチやコネクションといった高いハードルがあったことは容易に想像できる。

中国進出にあたって香港、上海港がその起点のための港として決定され、それと共に2006年4月上海にもオフィスがオープンされた。また中国国内で32カ所のセールスエージェントが選ばれ彼らの教育もすぐに始められた。さらにコスタクルーズ社の社名は中国語で「歌詩达(クーシューター)」と表記された。


2007年7月からスタートしたコスタアジアクルーズは当初マーケットの中心を中国に置き、そして余った部分を日本への販売に考えられていたのだそうだ。しかし彼らの思惑はそう単純にはいかなかったようだ。なぜならば中国ではまだクルーズ自体を知らない人たちがほとんどで、まずそこからスタートせねばならなかったからだ。やむなくコスタ社はインターナショナルなマーケットにも頼らざるをえなくなり軌道修正を余儀なくされることになる。コスタ・アトランティカ018.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。 コスタ・アトランティカ (トルコ・イスタンブールにて)
「11月ぐらいになるとヨーロッパの人たちですでに満船になりキャビンが取れなくなるんですよ。」と榎本さんはやや困惑した表情で語る。インターナショナルなマーケットへシフトさせ順調な集客が可能となった一方、それは我々日本人に向けての販売を困難にさせることにもなった。と言うのも日本も含めてのアジアマーケットの傾向は“ラストミニッツ”と言われるように例えば来週とか、再来週旅行に出たい人たちが急に予約を入れるというようなケースが多くその頃にはキャビンはもうなくなっているからだ。実を言うと香港オフィスもインターナショナルマーケットで予約をしたらアッという間にアジアでの販売の数字が落ちてしまうということはわかっていた。「コスタ社というのはヨーロッパではNO1の知名度の客船会社なので・・・。」現在早い時期から予約を入れていくヨーロッパ人たちがアジアクルーズに入ってきたことで日本のGSAはキャビンを確保するのが至難の業となっているのだそうだ。「日本人も半年から一年ぐらい前から予約を入れるということに早く慣れて頂ければ良いのですが。」と榎本さん。また世界のグローバルスタンダードとはかけ離れた日本の旅行業法(旅行約款)も彼らGSAにとっては厄介な問題であった。
それらが今後改善なされて行くかどうかがこれからの鍵になっていくのかもしれない。 

現在オーバーシーズトラベル社が扱っている海外の客船会社は“コスタ”“ホーランドアメリカ”“ウインドスター”“マジェスティックアメリカライン”の4社であるのだが現在はその内の“コスタ”と“ホーランドアメリカ”の2社が中心に販売がなされている。  両クルーズ会社の客船の特徴、そして客層など?

 コスタ社 


コスタ社はイタリアンスタイルで楽しませてくれる陽気な客船ということで、楽しいことが大好きといった方々が乗客のメインとなっている。
いろいろな国の方が乗船してくるので英語を話せなくてもまったく不快感がなく楽しめるのもコスタクルーズの魅力である。乗客たちもハネムーナー、ベビブーマー、シルバーエイジなど幅広い年齢層からなり、またスタッフたちの構成も40〜50カ国と国際色豊だ。コスタアトランティカ以降、デザイナーのジョーフォーカス氏(一連のカーニバル客船たちのデザインを手がけている)が客船デザインに参加してから各客船、船内なども若干アメリカ色が加味され、またユニークなテーマが持たされるようになってきたようだ。例えばコスタ・セレーナのテーマは「ギリシャ・ローマ神話」と言うように。客船の中にいろいろな発見があるのもまた乗客たちの楽しみとなってきているようだ。 
最近のニュースでは新造船コスタ・パシフィカ(114,500t)が2009年のデビューを予定され話題となっていると言うこと。
DEG_2111.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。
また、6月25~30日(那覇、神戸、東京)、10月15~22日(長崎、東京、神戸、沖縄)にコスタクルーズ社のコスタ アレグラが日本寄港することが発表されたのでこれからコスタの名を日本で頻繁に耳にする機会も増えてくることであろう。予定では東京(晴海)、神戸に一泊することになっている。「このクルーズに関してはヨーロッパ人にあっという間に売れてしまうでしょね。」と榎本さんは今から予想している。
 また2006年12月よりドバイを起点としたクルーズがスタートし成功をおさめ、そのことで2007年12月よりコスタ・ロマンチカとコスタ・ヨーロッパの2隻がドバイ航路に配船されクルーズを運航することになっている。また2008年12月からはコスタ・ビクトリアとコスタ・ヨーロッパの2隻が配船される予定だ。
現在ドバイ政府観光局との協力を得、国内でのプロモーションも精力的に行われているところである。

 ホーランドアメリカ社 


ホーランドは2005年10月にGSAになったばかりなので現在戦略を練りながら販売に向けての活動が進められているのだそうだ。
ホーランドアメリカ社の客船たちの乗客層としてはクルーズをよく知っている方々がその多くを占め、例えば色々なタイプの客船に乗船し最終的に落ち着いた方々などがこの客船を選んでいる。またリピーターの方が非常に多いこともこのクルーズ会社の客船たちの特徴だ。「私が耳にした前回のクルーズでは90%DSC_6211.jpgはリピーターということでした。ショートクルーズやメジャーな客船会社のクルーズとは異なり80%〜90%はリピーターでリピーターではない方が少ないくらいです。そのためリピーターズカクテルパーティも何種類(乗船回数)に分けて行われるそうですよ。」と榎本さん。「ホーランドアメリカ社の客船たちは洗練された大人の船で、いわゆるお客様が豪華客船と聞いてちょっと思い浮かべるような客船がこの会社の船と言ったらよいでしょか。」
乗客のほとんどがアメリカ人ということなので日本人からすれば英語を話せないというハンデがある。それを払拭させたいということで日本人向けのパンフレットがGSAとして初めて作成された。 
 また現在13隻中8隻がアラスカに配船されているように、ホーランドアメリカ社は世界のディストネーションの中でも特にアラスカに力を入れている。現在シアトル(アメリカ)発着と、バンクーバー(カナダ)発着の両方をアラスカクルーズスタートの港として設けている。日本から直行便がシアトルまで飛んでいるので日本人にとってもアラスカクルーズは乗船しやすいクルーズとなっている。
昔からのオランダとインドネシアとの関係上スタッフ構成はインドネシア人が中心でそれにわずかではあるがフィリッピン人たちが加わる。スタッフたちは長いクルーズになるほど乗客の名前やその好みを覚え、例えば食事前のワインや食後のコーヒー等への気配り、そしてさりげないサービスはホーランドアメリカ社が業界でもプレミアムリーダーと呼ばれる所以だ。スタッフたちの密接な関係が築けるという意味ではホーランドアメリカ社はあまり大きな客船は造っておらず、コスタクルーズ社が10万トンクラスのサイズの客船を多数揃えているのに対しホーランドアメリカ社は大きくても8万トンまでにサイズは抑えられていると言う。 
現在(2007年10月)“ユーロダム”(86,000t)という新造船がイタリアのフンカティエリにて造船されている最中で2008年7月にデビューが予定されている。